夢を買う女

身を持ち崩さない程度に夢をみる女のひとりごと

フェルゼンとマリーアントワネットとフランス革命と宝塚

 

前回の記事で3月の観劇記録を書くと書いておきながら、どうしても1789が始まるまでに自分用にまとめてしまいたくて、全然違うことを書いております。次こそは観劇記録を…!

 

宝塚は自他ともに認めるほどフランス革命を題材とした作品が多い劇団です。確かに多そうだなぁと思っていたし、宝塚の代名詞といえる「ベルサイユのばら」がフランス革命まっただ中の作品です。4月から始まる月組公演「1789 -バスティーユの恋人たち―」ではフェルゼンとマリーアントワネットを今までとは違った視点から描かれるのではないかと言われてるとか言われてないとか。

じゃあ、近年どれだけフランス革命を題材とした作品を作っているのか?と思い、実際に調べてみました。自分で数えたのでカウントミスがあるかもしれませんが、2004年~2015年(現在発表済の演目まで)のミュージカル公演についてまとめたものが下の表です。

 

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*参考:宝塚歌劇団HP 公演バックナンバー バックナンバー 2015年 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

 

これを見てどう思うかはもちろん人それぞれだと思うのですが、私は、「宝塚のフランス革命の話ってベルばらばっかりじゃないか」と思ってしまいました。今回数えた12年間23公演中ベルばら以外は8公演,半分以上はベルばらです。「ベルばら祭り」と呼ばれる期間と、100周年が含まれているため、宝塚の最大のヒット作であるベルばらの再演が増えるのは当然ではあるのですが、それにしても多いなあと感じます。

そしてそもそも、ほぼ毎年のペースでフランス革命を題材とした作品が上演されていることもわかります。そりゃヅカファンがフランス革命について一般人より予備知識が増えるわけですね。もしかすると劇団や演出家の、「フランス革命ならファンの方々もよく知っているから興味を持ちやすいし、詳しい時代背景の説明が少なくて済むのではないか」という意図があったりするのかもしれないなどと考えてしまいます。

 

そして書きながら今気づいたのですが、「仮面の男」はフェルゼンとマリーアントワネットは登場するものの一瞬で、フランス革命期の話ではないですね。(一度映像で見たはずなのに全然記憶にない。駄目。)ですのでこの後「仮面の男」は基本的に議論に含めずに進めていきます。となると近年の宝塚のフランス革命を題材とした作品の約2/3はベルばらということになります。

 

これだけフランス革命題材作がベルばらだったら、予備知識が少なく宝塚を見続けていると、フランス革命史はほぼベルばらとしてインプットされそうです。ベルばらの原作ファンでもある私はもちろんですが、そうでなくても毎公演見ているとそんなことが起こりそう。(もちろん、そうでない方もたくさんいらっしゃると思いますが。)でも、よく宝塚を観る人であればあるほど、フランス革命が「ベルばらナイズ」されそうな公演数に思えてしまいます。

 

カリスタは架空の島の話で、ルパンはタイムスリップなので、フランス革命の実状?は教えてくれません。となると、ヅカファンのフランス革命史はベルばら+スカピン時々愛革とジャンルイでしょうか。アントワネットが生きている間のフランス革命と王家にまつわる話はベルばらとジャンルイぐらいになります。

 

こうして書くと、アントワネットが生きた時代の時代背景に関する自分の知識がすごく偏っていることに気づきました。ジャン・ルイ・ファージョンは未見のため、もうベルばらとスカピンと愛革だけであり、原作の記憶と相まって、自分が典型的な「ベルばらナイズ」された人間であることは明確です、はい。

 

 

ところで、私、先日こんな本を読みました。

 

王妃マリー・アントワネット〈上〉 (新潮文庫)

 

普段全然本など読まないのですが、「1789の予習に」と思い読んでみました。後から知りましたが、「エリザベート」や「モーツアルト!」のクンツェ、リーバイ両氏によってミュージカル化もされていたんですね。

タイトルロールのアントワネットのお話と、アントワネットを妬むが、知らず知らずに彼女との関わりを持つ人生を歩む平民のマルグリットのお話が同時進行で少しずつリンクしながら進んでいきます。貴族の話と平民の話が同時進行で進むとは宝塚版1789も似た作りだろうなぁと思いつつ読んでいましたが、とても面白かったです。主に貴族の話であるベルばらでは限界がある、「民衆から見たアントワネット像」が描かれていたことも私にとっては新鮮でした。

 

 

ベルばらの原作にも、宝塚の舞台にも、この本にも共通するように思えたのは、アントワネットの描き方のように思います。素直で、思いのままに行動し、誇り高く、王妃であるというプライドが芯にある。王妃だから沢山の資料も残っていることを考えれば、共通するのは当然であるのかもしれません。(そう考えると、ルパンの「マリーちゃん」は新しいアプローチでおもしろかったなぁ。人間味、というか貴族オーラが溢れすぎてなくて好きだった。)

 

一方、フェルゼン(本や史実ではフェルセン)は私の主観では色々な描かれ方をしているように思います。宝塚のフェルゼンといえば、包容力!マリーアントワネットを、一女性としても愛しているけれど、王妃という立場も理解したうえで、一王妃としても大切にしてくれる。彼女の王妃としての立場も理解してくれるというスーパー愛にあふれた人!といったところでしょうか?

でも、宝塚を観る前、私がまだ漫画のベルばらしか知らない時、私の中のフェルゼンのイメージはもっとどこかにいそうな人でした。後半のフェルゼンは男らしさと包容力にあふれてますが、前半のアメリカ遠征の場面では「私は逃げるぞ」と叶わぬ恋の相手アントワネットの前から逃げ出すことをオスカルに打ち明けている姿がすごく印象に残っているのが主な原因でしょう。最近の宝塚ではこの場面が省略されていたような記憶があるため、印象の違いがでるのかもしれません。

本のフェルゼン(フェルセン)は、もっとウブでかわいいイメージです。スウェーデン貴族だけどアントワネットとのお話に緊張し、「彼を私が立派にして見せる」というアントワネットの母性本能をくすぐるような様子で登場します。そんな彼が王妃脱出計画を立てるほど男らしくなるという成長が素敵に思えました。

 

 

長々と書きましたが、とりあえず表をアップして、「宝塚でのフランス革命=ベルばら」という私の印象と、アントワネットとフェルゼンの今の個人的な印象を記録したかったのです。1789がはじまるまでにと思って書き始めたのですが、時間がかかり、記事を上げるのは当日になってしまいました。(かかりすぎた。その割にまとまってない。)

そして、読んでいて分かるかと思いますが、わたくし1789を楽しみにしております!どんな宝塚のフランス革命に出会えるのか、どんなフェルゼンとマリーアントワネットに出会えるのか、どんな印象を持つのか、宝塚で表現される新しいフランス革命に期待しております。